君と学校で
「海斗さん?」

静かな教室の中で私の手を握ったままの海斗さんに聞く。

「......悪い」

そう言って海斗さんは私の手を放す。


どうしよう


すごくドキドキしてる。



おさまれ鼓動!


「えぇっと...話って何ですか?」

「あ...いや、別に」

「?」

海斗さんは私から目を逸らす。

そのまま、何も言わない。


......なんで手なんか握ったんだろう。

どうして走ったんだろう。

ここまで来ないと話せない話だったのかな?


考えてもわからない。


その時だった、後ろから教室のドアが勢い良く開く音がした。



「「っっおい!海斗(志音)なぜ俺(私)をおいていったんだ!」」


きれいにそろった2人の叫び声が教室に響いた。


「「.........」」

何も言えない。

海斗さんも、何も言わない。



そんな私たちの様子を見て、風音も友哉さんも何も言わなくなってしまった。






こんなふうに終業式は終わり。


こんなふうに夏休みが始まったのだった。




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