初恋~First Love~
「鏡花ー行くよー」
「はいはい、ちょっと待って」
空は晴れ。
風は気持ちよくふき、絶好の遊園地日和だ。
春輔君の車におねえちゃんとふたりで乗り込んだ。
「桟道さんおはよう」
「うんおはよう」
隣には上月君が座っている。
「遊園地とかかなり久しぶりだな。
俺、すげぇたのしみ」
今日の上月君は、なんだかいつもと違う人に見える。
なんというか、人間らしく見えるというか…
「上月君は、無理やり連れてこられたわけではないの?」
「へ?
違うよ。しゅん兄が行かないか?って誘ってくれたから」
「そうなんだ」
彼は、無理やりつれてこられたわけではなく
楽しむ気満々のようだ。