初恋~First Love~
「親父と一緒に住もうと思ってさ、上月の父さんもしゅん兄もすごく良くしてくれるんだけどさ、親父、一人ですんでて。
もういい大人のおっさんなんだけど、一人はやっぱり淋しいだろ!?」
「うん、一人は淋しいね
いつ頃引っ越すの?」
「しあさって」
「え!?」
「すぐだろ、たぶんしゅん兄はおれが鏡花にまだこのこと言ってないの知ってたから、二人にさせてくれたんだと思う」
やだよ。
夏輝がいなくなるなんて。でも、彼がそんなに考えて出した結論だから。
それを覆す権利はあたしにはない。
満月が雲に隠れ、あたりが急に暗くなった。