カミツグ!!〜The six elements.〜
┗黒い不協和音
――…とある場所にある、城。
ここは負の空気が蔓延る、悲しみの深き空間。
そこに、跪く男が一人。
「カミヤ ケイシが動き出したようです。…キジィーム様」
しん、とした空間に、彼の声だけが響く。
「……そうか」
まるでなにもかも見えていたかのように、キジィームと呼ばれた男は頷いた。
「…こちらも、動き出しますか」
男は搾り出すように声を出した。
「…まだ早い。まだまだ…」
キジィームは、空気を揺らすほどの笑みを浮かべた。
そんなキジィームを見ながら、跪いていた男はそっと闇に消えた。
「……………カミヤ ケイシ………!!」
キジィームがその名前を呟いた途端、耳を劈くような轟音がし、周りの物体が一気に消え去った。
力を放出した後も、興奮を抑えきれないとでもいうように、キジィームは血走る目を見開いたままだった。
――…闇はまだ、真の姿を見せない。