空へ

事故

「おい、良美の荷物重すぎやって!」

俺は、帰る為に乗るバスの床下にある荷物置き場に、皆の荷物を置きながら言った。

「ご、ごめん…」

1年半ぶりにしゃべれるようになった良美は、少し舌足らずな感じで謝る。

「あんた、力なさすぎだって」

理沙はそう言って笑った。

「力なくてもええわ。近年はムキムキのマッチョマンよりスマートな方がモテるしな」

「スマートってかガリだし!」

「うっさいわ」

理沙にそう言い返して、最後の荷物を置く。

「はい、荷物終了。バスん中入って飯食おうや!」

そう言い、バスの車内へ入って行く。

「また自分ら、何か入口前にあるボンボ屋ってとこでいっぱい買うてたけど、何を買うたん?」

皆の代わりに陽菜が言う。

「お土産だよ」

「ハァ?ランドの方で土産買うてたやん!」

理沙が口を挟む。

「いや、あれは人にあげる土産だし」

「は?じゃあシーの方で買うたやつは?」

「あれも人あげるお土産」
「じゃあボンボ屋は?」

今度は良美が答える。

「自分へのお土産」

自分への土産?
何だそれ。

一体、この3人で土産にいくら使ったのか考えるだけで恐ろしい。

「また来ようね」

陽菜が満足気に言った。



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