空へ
私は晴貴…いや、晴子の腕を人差し指で突いた。


「俺は、晴子が食べたいやつがいーい」


晴子はそう言って、私の腕を突き返す。


「あなたのがいーい」


「晴子のがいーい」


「あなたのがいーい」


「晴子のがいーい」


「あなたがいーい」


「晴子が…」


私はそう言いかけ、晴子の胸を鷲掴みして叫んだ。


「晴子がいいんじゃー!」


今にも押し倒しそうな勢いで、晴子の体中をワサワサ触る。


「わわ、ちょ、ちょっと」
嫌がる晴子だが、私はやめない。


「うはは、いいんだろ?ここがいいんだろ?」


「ちょっと、やめてよ」


「ここなんか、いいんだろ?」


私はそう言って、晴子の局部を触る。


「ちょ、ちょっと…」


そう言いかけた晴子は、晴貴に戻り、怒鳴った。


「って、おいッ!どこ触ってるんだよ!!」


怒鳴りに臆さず、私は言い返した。


「喜んでたじゃない!」


「バカ!喜ぶかッ!危うくお婿さんに行けなくなるトコだったじゃねぇか!」


「どうせ行けないよ」


「何でだよッ!…ってかお前、ちゃんとやってくれよ!」


私は、うるさいと言わんばかりに、片耳に人差し指を突っ込んで言った。


「あー、分かった分かった。ちゃんとやるから」


「頼むよ、ほんと」


「はいはい。じゃあ…」


そう言って、また演技に入る。


「晴子、何が食べたい?」


「えーとぉ…うーん、ケーキが食べたい!」


私は即座に否定した。


「ダメ!嫌い!」


「じゃあ、ステーキ」


「ダメ!高い!」


「じゃあ、カレー」


「ダメ!辛い!」


「じゃあ、ナポリタン」


「ダメ!遠い!」


「じゃあ、お寿司」


「ダメ!臭い!」


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