空へ

偶然の出会い

昔を思い出していると、激しい頭痛に襲われ、私は目まいがしてよろめいた。

「たまちゃん!大丈夫!?」

いつも物静かなヨッシーが声を張り上げて言った。

ヨッシーの方を見ると、ヨッシーも泣いていた。

あれ?
何でヨッシーも泣いてるんだろ?

…あ、そっか。
彼氏のあの歌って、元カノに捧げる歌だもんね。
今の彼女はヨッシーなのに、悔しいよね…。

「ちょっと、どこかで落ち着きたい」

私がそう言うと、ヨッシーは近くの喫茶店に案内してくれた。

喫茶店で休憩していると、ヨッシーの彼氏が入って来た。

私と対面したヨッシーの隣りに、彼氏が座る。

「あ、初めまして」

ヨッシーの彼氏に頭をペコッと下げる。

「なんや、さっきから俺の方をチラチラ見とる奴がおるなぁ。あれ、誰やろ?」

あ、大阪弁だ!

ヨッシーの彼氏が見つめる先には、男がこっちを見ながらコーヒーを飲んでいた。

「まぁほっとこ」

そう言って、私の方を見直した彼氏は、私と同じく頭を下げて言った。

「どうも初めまして。…って、なんや自分ら!メッチャ涙流した後あるやんッ!一体何したんや?」

驚く彼氏に、ヨッシーは言った。

「分かんない…」

すぐに彼氏が返す。

「へ?何で分からんの?」

いいなぁ、関西弁…。

関西弁をしゃべれたら、私達の漫才、もう少し売れたのかな…って、ダメだダメだ。
後悔ばっかりだね、私。

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