空へ
結局面接の結果、私も隣の女も採用だった。

よほど人手が足りないようだと思ったんだけど、その通りだったみたい。

私、週6でバイトしてるもの。

それも朝、昼、夜とごっちゃ混ぜよ。

夜勤なんて、肌荒れの敵だわッ!

…って文句を言ったところで、お金がないから仕方ないんだけどさ…。

仕事はだいたい昼間はバイトの二人と店長の3人でやるんだけど、夜になるとバイト二人だけでやるの。

なぜか、そのバイトの相方が、面接を一緒に受けた女とよく合うの。
だから次第に仲良くなっちゃった。

「ねぇ、リッピー。レジ見といて」

もうあだ名を付けあった仲。

「優太郎、またサボリ?」

リッピーからはホントの名前で呼ばれている。

他の人から『優太郎』なんて呼ばれたら、百連発の文句でも浴びせてやるところだけど、リッピーから言われてもなぜか気にならなかった。

「いいじゃない、暇なんだから」

私はそう言って、雑誌の立ち読みを始めた。
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