空へ
それから3ヶ月が経ち、私はリッピーと会わなくなった。

私は毎日夜にバイトに入るようになり、リッピーは朝に入るようになったのだ。

私はいつもバイトが終わる時間が朝6時。

リッピーはいつも朝8時からバイトに入る。

私は久しぶりにリッピーに会いたくて、朝の8時までコンビニの休憩室で待つことにした。

7時50分に、休憩室のドアが開く。

「チッス…って、あれ、優太郎?」

休憩室に入ってきたのは、もちろんリッピー。

私は、リッピーの顔を見て驚いた。

「リッピー、おはよう…って、どうしたの!目のクマが凄いじゃないの!」

久しぶりに見たリッピーの目は充血し、目下にはくっきりと黒ずんだクマがあった。

そして何より、もともとモデル体質の華奢なリッピーの体は、さらに痩せこけていた。

「え、あぁ。疲れてるだけ」

そう言うリッピーの声は、いつになく弱々しい。

「大丈夫なの?そんな状態でバイトなんか出来るの?」

「大丈夫。さぁ、バイト始めなきゃ…」

リッピーはそう言い、休憩室を出ようとした。

ふらふらと千鳥足で歩くリッピーに、私は言う。

「ちょっと、そんなんで仕事になんないわよ」

そう言った時、リッピーはふらっとよろめいた…
と思いきや、そのままバタッと倒れてしまった。

「キャーッ!リッピーッ!きゅ、救急車、店長!救急車ーッ!」

私は急いで店長の部屋へと走って行った。

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