空へ
小学6年生の頃、私はサッカーや野球をやって、友達も多く、活発な性格だった。

だがある夜、私は夢を見た。

なぜか顔が見えないお姉さんに抱かれる夢…。

目が覚めると、私の下着は濡れていた。

「ヤバッ、小6にもなって…」

初めはオネショしてしまったと思ったが、布団は濡れてない。

下着に手を入れると、そこにはヌルっとする液体があった。

「え、何これ?」

私は親にバレないように、トイレに入った。

恐る恐る下着の中を確認する。

「何…?気持ち悪い…」

私は恐怖した。

自分が、何か変な病気になってしまったんじゃないかと…。

私は親にバレてはいけないと思い、足音を立てず慎重に洗面所へ行き、下着を洗った。

一体、何の病気だったのか…。

気になって、この日は一睡も出来なかった。

翌日、学校に行った私は、保健室の岡本先生の所に行った。

岡本先生は、生徒にも人気のある、優しい先生。

「あら、何?本郷君」

「実は、相談したい事が…」

私は、今朝の事を岡本先生に話した。

「そっか、もうそんな歳なんだね」

そう言った先生は、私に教えてくれた。

「それは夢精だよ」

そして私は初めて、大人になるにつれて変わっていく男と女の違いというものを知った。

それから中学・高校生と、私は一度も恋をしなかった。

全部、夢精のせい。

夢精する度に、自分が見る夢に嫌悪感を覚えていった。

顔の見えない、女性とする行為…。

気持ち悪い…。

私は、洗面所で下着の処理をする度に、吐いた。

それは今も続いているんだけど…。



そんな私に、初めて彼女が出来たのは、大学生になった時。

相手は4つ下の、まだ中学生の子。

私は、可愛いもの、美しいものが好きだった。

その子は、小さくて可愛いかった。

私と付き合い、日に日に可愛くなっていく彼女を、私は大切にした。

しかし、それでも私に恋愛感情はなかった。

その時私は、セックスはお互いが本当に好きな者同士しかしないものだと思っていたの。

私は、その子とセックスをしたいという気には、一度たりともならなかった。

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