空へ
次の日、俺は転入初日よりも挙動不審に登校した。

カバンの中には、ラブレターが入っている。

昨日、あれから色々考えて、転入すぐに告白なんてインパクト強くね?ってことで、急きょ書いて来たのだ。

内容は、こんな感じ。


『昨日はお世話になりました。そして、好きになりました。なので、お願いしますッ!−仲原努』


敬語にするか、関西弁で書くか、2時間くらい悩んで書いた。

んで結局、敬語の方が真剣っぽいだろ?ってことで、敬語にした。

また、長いと全部読んでくれないかも?って1時間くらい悩んで、短く書いた。

だからすごい寝不足。

校内に入り、周りに用心しながら吉倉さんの下駄箱って言うか、下駄ロッカーの前に立つ。

ロッカーには鍵が付いているのだが、引いてみると鍵はかかっていなかった。

よし、スリッパが入ってる。まだ来てないな。

ロッカーに付いてる名札を再度確認し、素早く手紙を入れて、その場を逃げるように教室へと向かった。




今日も一日、授業なんて何も頭に入らなかった。

ラブレターの返事の、期待と不安。

その事を考えると、寝不足なんて屁みたいなもんだ。

だけど、6限目の授業が終わっても、吉倉さんは教室に来なかった。

休んだのかな?

いや、学校には来ただろうね…。

そして、ラブレターを見て、顔を合わせづらくなったので帰ったんだ。

きっとそうだ、違いない。

はぁ…やっぱりダメだったか。

そりゃぁダメだよなぁ。

初めて会った次の日に告るなんてさ…。

キモいなぁ、俺…。

しょうがない、帰ろう…

そう思った時、俺の目の前に二人の女の子が現れた。

鋭い目つきの鋭い、黒髪セミロング、そして背丈の高い子。

身長170くらいありそう。
もう一人は薄く茶色がかった長い髪をポニーテールにした、大人しそうな小柄な子。

身長150あるかないかだと思う。

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