空へ
私は体の向きを変え、良美を見た。


懐かしい顔…

一緒にご飯を食べて

一緒に勉強して

一緒に遊んで

一緒に泣いて…

私の、一番の友達…

「良美…」

私がそう呟くと、優太郎は腕を離した。


「良美…ごめん」

「理沙ぁ」

私と良美は共に近づき、強く強く抱き合った。

ずっと、こうしたかった。

会話がしたかった。

私は、良美と昔のように接することが出来ないと思って、良美から逃げた。

だけど、きっと良美は何も変わってない。

変わったのは、私の方だったんだ…。

私達は、公園のベンチに並んで座った。

「良美、ごめん。私、良美の友達、殴っちゃった…」

「うん…」

「それで、自分の勘違いだって分かった。許してくれるか分からないけど、謝っても、いいかな…」

良美は、躊躇いもなく、言った。

「うん、きっと大丈夫。謝ったら、きっとたまちゃんは許してくれるよ。それで、理沙もたまちゃんと友達になってあげて」

良美はそう言って、笑った。

二年振りに見た良美の笑顔…

懐かしいな…。

やっぱり良美は、昔と何も変わってない。

私は、「うん」と頷き、言った。

「逃げたりして、ごめんね…」

良美は首を横に振る。

「ううん。、理沙に会う為に東京に来たんだもん。私、しつこいよ」

良美はそう言って笑った。

私も良美の笑顔につられて笑った。



−あれ?

そういえば、良美は何で私が東京にいること、知ってるんだろう?

「ねぇ、良美?」

「ん?」

「何で私がここにいるって分かったの?」

「うん、それがね!」

良美は、驚いたような顔をして言った。

「なんか、頭の中で声が響いたの!あっちに行けば理沙がいるよ…って。だから、努とゆう君と一緒に、理沙を追いかけたの」

−ん?

「あ、そうじゃなくて、私が東京にいるって、何で良美は知ってたのかなって…」

「あ、それはね。陽菜のお墓の前にね、理沙のお父さんがいたの。それで、お父さんに聞いて…」

私は、驚いて良美を見た。

「え!それいつ!?」

「半年くらい前だよ」

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