大嫌いなアイツ
「いいの…?」

「いいわけねぇけど
 勇気ねぇ。」



弱い男だって笑ってもいい。



意気地なしって笑ってもいい。



何を言われても…。



もう終わったんだ。



「そっか。
 優子もひどいね。」

「ぇ。」

「好きなくせに振る
 なんてさ。」

「好き…?」

「あ、いや…。」

「気使わなくていいよ。」

「いや、そんなんじゃ…。」



優子は俺のこと好き
なわけない。



振られたわけだし。



「龍司くん。」

「ん?」

「らしくない。」

「え?」

「龍司くんっ。
 もう付き合わないなら
 合コンでも行って来い!」

「は!?」

「優子なんて忘れなっ。
 もう…別々の道で
 いいじゃん。」



何でんなこと…。



「忘れられるわけ
 ねぇだろっ。
 どんだけ好きだと
 思ってんだよっ!!」

「ふふっ。」

「へ?」

「それが本音でしょ?」





< 110 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop