大嫌いなアイツ
放課後―――――。



「優子。
 帰んぞ。」

「あ、うん。」

「ほら。」

「え?」

「手。」

「手!?」



な、何で。



付き合ってもないのに。



「俺が繋ぎたいの。
 いいだろ?」

「いいって…ちょっ。」



ほんとに勝手。



でも…何でだろう。



落ち着く。



「優子はさ。」

「ん?」

「まだ…アイツのこと
 好き?」



龍司のことか…。



「…好き、だよ。」

「…そっか。」

「うん…。」



言葉にするのがこんなにも
苦しいなんて。



好きなのに…言えない。




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