大嫌いなアイツ
「龍司…?」

「わり…。」

「来てくれてありがとう。」

「っ…。」



バカだ。



何でありがとうなんて…。



「優子…っ。
 ごめんな。
 俺…また守れなかった。」

「そんなことない。
 来てくれたもん。」



体中が痛い。



呼吸が…苦しい。



目がかすんできやがった。



「龍司…?
 龍司!?」



ダメかもしんねぇ。



「ゆう…こ。」



俺は最後の力を
ふりしぼって。



ちゅっ



優子にキスをした。



「愛してる…。」



ごめんな…優子。



無茶した。



優子の叫び声が聞こえた。




< 82 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop