大嫌いなアイツ
それから2週間。



あたしはずっと龍司の
所にいる。



「優子ちゃん。
 替わるわよ。」

「大丈夫です。」



ろくに何も食べてない。



「優子。」

「ママ…。」

「身体壊すわよ。」

「平気。
 龍司に比べたら…。」



龍司は未だに目を
覚まさない。



「優子…。」

「ママ。
 あたしね…――――。」



ママは驚いてる。



そりゃそうだろうね。



だって。



『龍司の目が覚めたら
 別れることにしたの。』



こんなこと言われたら
驚くに決まってる。



「あたし分かったの。
 あたしのせいで龍司が
 傷ついてるってこと。
 あたしと一緒にいるから。」



ママは黙ってる。



「龍司にとってもあたしに
 とってもその選択が
 一番だと思う。」




< 88 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop