大嫌いなアイツ
好きだからこそ
先生は奇跡に近いと
言ってた。



完治するのはすごく
時間がかかるって。



「龍司。
 何か食べたいもの
 ある?」

「優子…が欲しい。」

「なっ////」



こんなこと言われたら
離れられなくなるじゃん。



話すのも精一杯。



あたしはどうしたらいいの。



「優子…どうした?」

「えっ。」

「元気…ない。」

「そ、そうかな?
 疲れたのかもっ。」

「…隠す…な。」



今…言うの?



このタイミングで?



「龍司。」

「ん?」



そんな優しい目で
見ないで。



言えなくなる。



「別れよう。」

「ぇっ…。」




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