大嫌いなアイツ
「優子ね…。
 龍司くんが眠ってる
 2週間。
 ずっと傍にいたのよ。
 学校にも行かないで。」

「ぇっ…。」

「でもね?
 優子なりに考えて
 出した答えだと思うの。」

「…。」

「あの子も辛いと思う。
 龍司くんのほうが辛いと
 思うけどね。
 優子は…龍司くんが
 大好きなのよ。」



優子…。



「今は無理かもしれない
 けど。
 別々の道を進んで行って
 ね。」

「おばさん。」

「何…?」



俺…言いたいことが
ある。



「優子に伝えて欲しい
 ことがあります。」

「…直接伝えなさい。」

「ぇ…でも。」

「優子…まだ病院に
 いるわ。
 1階のロビーにいる。」



何で…。



いんだよ。



「呼んでくるわね。」

「俺…行きます。
 自分で行きます。」

「大丈夫?」

「はぃ。」



自分で伝える。




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