大嫌いなアイツ
俺はゆっくりだけど
歩いた。



「はぁっ…っ。」



また同じこと繰り返す
のかよ。



「っ…はぁっ。」



あ。



いた。



「優子…っはぁ。」

「っ!?」

「はぁっ…。」

「どう…して。」



え…。



目真っ赤。



明らかに泣いた顔。



「伝えたいことがっ
 ある。」

「ぇ…でも。」

「いいから。
 聞いて欲しい。」



また泣きそうな顔
しやがって。



今すぐにでも抱き締めて
やりたい。



「まず。
 勝手に決めんな。」

「っ…。」

「普通話し合うのが
 筋ってもんだろーが。」

「ごめん…。」




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