もう1度~私と先生と桜の木~
チョコレートの行方
「今年も甘い季節が来ましたね~」
「え?甘い季節?」
時間は流れに流れ、
夏が終わり、新しい年が明けて早2ヶ月。
「またまたよーたくん、トボけちゃってさあ~」
「何を言っているか分かりませんよ、マッチー」
「その名前で呼ばないでください」
「先に仕掛けてきたのはあなたのほうです」
と、いつものやり取りをする今日この頃。
なんと平和な1日だろう。
「もういいよ。
なんせ、先生とは付き合い長いからね。
性格は結構把握してる」
ポンポンと俺の肩を叩く町田先生。
なんなんだ、この諭されてる感じは!
「よーたくん?明日は何日かな?」
もう名前で呼ばれることにツッコむことを諦めた俺はカレンダーを確認。
「えーっと…14日」
「そう。正解。
では2月14日は何の日?」
「あ…バレンタイ」
「はい、正解」
なるほど。
それで甘い季節、ってワケか。