もう1度~私と先生と桜の木~





教室や廊下。

校庭でたくさんの3年生が、

仲間との別れを惜しんで、

抱き合って泣いていたり

笑いながら話していたり

肩を組んで写真を撮ったりしていた。


それを横目に見ながらあの、いつもの場所へ向かう私。



「奏、どこ行くんだよ?」


そうすると類に呼び止められる。


「今から、行ってくる」


「スッキリしに?」


「トイレじゃないからね」


「分かってるっつーの」


顔を見合わせて笑う。

最初はヘンなヤツだって思ってたのに。

いつの間にか、親友になってたね、類。



「じゃあ、またあとで」


「うん、あとで」


今日の夜、部活のみんなで打ち上げをすることになっている。

類とバイバイして、私はまた歩き出した。







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