もう１度～私と先生と桜の木～

「…コ…イ…?」


「ワタシ、日本語ワカリマセン。

みたいな顔で言うんじゃねーよ」


「いや、だって…!」


「だってもクソもねーし。

だいたいさ、俺ずっと思ってたんだ?」


「何を?」


「奏ちゃんがまだ高校生だった頃からお前があの子のことスキなんじゃねーかって」


「んなワケねーだろ!」


「ってお前は思いたいだけ、だろ?」


全てこの俺にはお見通しだ、みたいな顔をする翔馬。



「奏ちゃんのセンセーだもんな。

そりゃあスキじゃない、って思いたい気持ちは理解できる。

スキだと認識してもそれは生徒として、って思いたい気持ちも理解できる。」


「いや、なんだよそれ。

勝手に俺の気持ち理解してるみたいな顔すんなよ…」


そうは言ったものの、強気にはいけなかった。

なぜなら翔馬に言われたことが図星のような気がしてならなかったからだ。