もう1度~私と先生と桜の木~
「いいなあ!テルくんはカッコイイし、優しいし。
それに比べて…」
「はあ!?なんだよ、碧!
それは俺に対する不満か!?」
と、類が言う。
…え?あれ?
ちょっと待てよ…?
「なあ、お前らってまさか…付き合ってる?」
碧と類の顔を交互に見比べる。
「あれ?よーたくん、知らなかったの?
去年くらいから2人、付き合ってるよ」
答えたのは、奏だった。
「はっ!?ウソだろ!?
なんで!?なんでお前と碧なんだよ!」
「どういう意味だよ、それ!」
「俺はずっと…その…類は奏のことを…」
そういうと奏に笑われる。
「なんで笑うんだよ」
「前にも言わなかったっけ?
私と類は友達で、それ以上でもそれ以下でもないんだよ?
よーたくん、まかさずっと勘違いしてたの?」
「いや!だってお前ら仲良かったから!」
「そりゃあ仲良いよ。
友達なんだもん。」
ねー?と言って目を合わせて笑いあう類と奏。
やっぱりそれはどこからどう見ても恋人同士で。
「何?その目は」
碧になぜか睨まれる。
「残念ながら、よーたくんの心配には及ばないよ。
奏と類がお互いに友達以上に思ってないのは1番近くにいたあたしが1番よく分かってるから」
そう言った碧の顔は2年見ない間に大人になっていて。
少し、寂しい気がした。