もう1度~私と先生と桜の木~
自分についている嘘
「よし、行こっか、奏」
「うん」
差し出された手を握る。
「やっと、恥ずかしくなくなった?」
「…最初から恥ずかしくなんてないもん」
「ウソはダメだろ?
手繋ぐ度に顔を真っ赤にしてたのは誰だっけ?」
意地悪な笑顔を浮かべて私を見る。
「そんな人知らないもん!」
「…可愛いな、奏は」
恥ずかしげもなくそう言って私の頭をポンポンと叩く。
「テルくんは意地悪だね、ずっと」
「奏が面白い反応するから意地悪したくなるんだよ」
ペシッとテルくんの肩を叩く。
「今日、俺んち来る?」
「行かない!
テルくんエッチだもん」
「男はみんなそーなんだよ」
笑いながら繋いだ手を話して肩を抱き寄せるテルくん。
テルくんは爽やかな顔をして、
少しエッチなところがある。
だけど、そういうところも結構、スキだ。