もう1度~私と先生と桜の木~

自分についている嘘





「よし、行こっか、奏」


「うん」


差し出された手を握る。


「やっと、恥ずかしくなくなった?」


「…最初から恥ずかしくなんてないもん」


「ウソはダメだろ?

手繋ぐ度に顔を真っ赤にしてたのは誰だっけ?」


意地悪な笑顔を浮かべて私を見る。



「そんな人知らないもん!」


「…可愛いな、奏は」


恥ずかしげもなくそう言って私の頭をポンポンと叩く。


「テルくんは意地悪だね、ずっと」


「奏が面白い反応するから意地悪したくなるんだよ」


ペシッとテルくんの肩を叩く。



「今日、俺んち来る?」


「行かない!

テルくんエッチだもん」


「男はみんなそーなんだよ」


笑いながら繋いだ手を話して肩を抱き寄せるテルくん。


テルくんは爽やかな顔をして、

少しエッチなところがある。


だけど、そういうところも結構、スキだ。







< 140 / 222 >

この作品をシェア

pagetop