もう1度~私と先生と桜の木~
止められない
「あ、よーたくん。
暇そうですね。
これから一杯行きませんか?」
クイッとグラスを傾けお酒を飲む仕草をする町田先生。
「あの、暇そうっていうのは余計だと思うんですが」
「すいません。
素直なもんで見たままのものが口に出てしまうんです」
ニヤッと笑って言うこの人はなんて捻くれた人間なんだろう。
「あ、しまった~
今日、アイツと約束あるんだった…」
階段を降りながら約束を思い出す。
「え?約束?
ま、まさか…!!」
町田先生がわざとらしく目を丸くさせ口元に手を当てる。
「オンナじゃありませんよ」
なんだ…と言いながら残念そうな顔をしている町田先生。
「大学時代のツレです」
「ってことは同い年?」
「ええ、まあ一応」
「じゃあ俺にも紹介して!」