もう1度~私と先生と桜の木~
「「カンパーイっ!!」」
「……カンパイ…」
なんで…こうなったかなあ?
目の前で勢いよくぶつかる2つのジョッキ。
そのあと俺のジョッキめがけてぶつけてきやがる。
「ほら、よーた!
テンション低いぞ!」
「そうだよ、よーたくん!
もっと楽しそうに!!」
うるさいヤツは…どちらか1人で十分なのに。
なんでこの2人は…
時計をチラッと見る。
まだ会ってたったの5分だぞ?
どうしてそこまで仲良くなってんだっつーの!
「よーたーぁ!
なんかテキトーに頼んでおいて~」
「あ!俺、ホッケ食いたい!」
2人を見ることなくはあ…と溜め息をつく。
翔馬と町田先生。
俺は知らないうちに似た者同士のツレを作っていたようだ。
そうしてこの2人が合わさると
うるささ倍増!
俺の手に負えない状態に陥ること間違いナシ…
そんな未来に落胆しつつボタンを押して店員を呼ぶ。
「ご注文伺いまーす」