もう1度~私と先生と桜の木~
「奏?無理しなくてもいいんだぞ?」
「うん、大丈夫。
無理なんてしてないから」
1時間後。
バイトを終えた奏が俺たちのテーブルにやってきて。
そうしてウーロンハイを一口飲む。
「奏ちゃんはお酒イケる?」
「っていうかその前に自己紹介しろっつーの」
あ、忘れてた!と言わんばかりの顔をする翔馬。
「俺、よーたのツレの翔馬です。
カノジョは…うん、残念ながらいません。」
「忘れられないんだもんな?元カノが」
「うっせえ!
余分なこと言うんじゃねーよ!」
翔馬のあせり方に俺は大爆笑。
「え?そーなんだ?
未練たらしいオトコなのか、翔馬は!」
町田先生も一緒になって翔馬をからかう態勢に。
「やめろよ!
せっかく傷がとじかかってたのに…」
そんな姿を見つめる奏は
楽しそうに笑っていて。
そして、思う。
やっぱり俺、奏が好きだ…