もう１度～私と先生と桜の木～

膨れ上がる想い

やっぱり、会うんじゃなかった。

いや、会うっていうと故意的に聞こえてしまうから、

だから正しく表現するなら


『偶然でも、会うんじゃなかった』


家に帰っても

頭の中は奏でいっぱい。


寝ても夢に出てくる始末。


授業やってるときも、

ふと、奏の高校時代を思い出したりして。


部活中、いるはずもない奏の姿をそこに、見てしまったり。


もう、どうしようもなく、奏だらけの日々。


『スキ』だと認識してから会うということが

こんなにも俺を苦しめるなんて思わなくて。


部活を終えて家に帰っても

俺は何もやる気になれず。


ただ、ソファにぐったりするだけ。

そのときも考えることは奏のこと。


奏は…料理、できるのかな、とか。

奏は…掃除、得意なのかな、とか。


そんなことばかりで。


考えちゃダメだ。

そう思うと余計に奏のことを考えてしまう。


そうして俺は、

どんどんダメになっていくんだろうな。


と、ふと思ってしまった。