もう1度~私と先生と桜の木~





「…お疲れ様」


ドアを開けるとそこにはテルくんがいて。

でも、私は何も言えなくなった。


だって…


「…悪いけどそれ以上奏に近づくのはやめてくれないかな」


テルくんと私の間にいるはずもない人が割って入って来たんだから。



「よーたくん…なんで…」


「え?よーたくんってもしかして…」


テルくんは驚いていたけど、

私はそれ以上に驚いていた。


どうしてバイト先を知っているのか。

どうして今、現れたのか。


…でも、少し考えれば分かることだった。

どうせ類と碧が喋ったんだろう、よーたくんに。


「奏を傷つけるヤツには奏を任せられない」


私は、最低だ。

今、ものすごくドキドキしてる。

よーたくんのその言葉に。


…分かってる。

ドキドキしてる場合じゃないってことは。



でも、よーたくんが悪いよ。

あまりにカッコ良すぎるタイミングでカッコイイこと言うんだから。









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