もう1度~私と先生と桜の木~
「それに奏も奏だよ?
なんで断らないの?」
「いや…だって…」
「もしかしてさ、このままよーたくんと…なんて考えてる?」
奏の顔は怖くて。
俯きながらも否定する。
「そんな都合のいいことできないよ。
少なくとも、テルくんとのことをはっきりさせるまでは」
結局、話し合いの決着はつかなかった。
あのよーたくんの突然の告白に完全に場は固まって。
「奏、またゆっくり話し合おう…2人で」
と、そう言ってテルくんは帰ってしまって。
私とよーたくんは公園に取り残された。
「…帰る、か?」
「…そうだね」
気まずさMAXで電車に乗り込む。
その間もよーたくんは何も言わない。
でも、次の駅でよーたくんが降りるとなったとき、
やっと言葉を発してくれた。
「ごめん。本当はあんなこと言うつもりじゃなかったんだけど。
雰囲気もクソもなかったよな。
でも…」
そこで言葉を切って私を見るよーたくん。
「あの言葉にウソはないから」
言葉が終わると同時に駅に着いて。
よーたくんはじゃあ、と言って降りてしまった。