もう1度~私と先生と桜の木~
「ってことは何!?
テルくんと別れたらよーたくんと付き合うの?」
「…まだ分かんないけど」
「ウソでしょ!?
彼氏と別れたばっかりでもう次の彼氏!?」
「碧、いい加減にしろよ」
今まで黙っていた類が突然、口を開いた。
「別に奏は何も悪くないだろ?
前からずっと好きだった人に告白されたんだ。
そういう考えになったって何もおかしくない。
俺らに責める権利なんてない…と思う。」
「でも…」
「それによーたくんをけし掛けたのは紛れもなく、俺たちだ」
「…そう、だね」
急に類が遠い存在に思えて。
なんだか1人だけ大人になってしまったように見えた。
「奏、俺は反対しないよ。
テルくんと別れることにも、よーたくんと付き合うことにも。」
類はそう言って優しく笑った。