もう1度~私と先生と桜の木~
「おかしいと思ったんだよ…
こんな時間に呼び出されるから」
よーたくんはそう言ったあと、
ちょうど来た店員さんにレアチーズケーキとフローズンダイキリを頼む。
可愛いケーキとちょっと大人っぽいお酒の注文に緊張が少しほぐれた。
「アイツ、ホントに…」
はあ、と溜め息を漏らし、頭を抱えるよーたくん。
…あ、今日私服だ。
会うときはだいたい学校終わりだったからスーツだったけど。
でも、時間はもう11時前。
きっと家にいたところに翔馬さんから連絡があったんだろう。
「お待たせいたしました。
レアチーズケーキとフローズンダイキリになります」
店員さんの持ってきたケーキに目を輝かせるよーたくん。
「チーズケーキ、好きなの?」
「あ、うん。好き」
ケーキを一口食べて満面の笑みを見せつけられる。
「奏も一口食べるか?」
「え?いーの?」
「うん。ほれ」
よーたくんは一口切ったケーキをフォークにのせて私に差し出す。
パクッとそれを食べる。
甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。
っていうか…まさか今、間接キスだった…!?
「…ごめん、なさい」
「え!?なんで謝んの?」
「いや…なんでもないっ!」
顔が真っ赤になるのが分かる。
あーっ!!もう恥ずかしいっ!!