もう1度~私と先生と桜の木~
「かなで…」
「どうせ碧か類から聞いてるんでしょ?
私がテルくんと正式に別れたこと。」
「…うん。聞いた」
「なら…なんで…っ!」
なんで会いに来てくれなかったの、
そう言いかけてやめた。
今さらそんなことを言ったところで何の意味もなさないから。
「ごめんな…奏」
「もう私にはよーたくんが分かんないよ。
碧と類には会うのに私には会おうとしてくれない。
…どうして?」
「…じゃあ」
「え?」
「じゃあ奏はなんで俺に会いに来てくれなかったんだよ?」
俯いていたよーたくんに見つめられる。
「それは…」
「…なんてな。
分かってたよ。お前が来てくれないことは。」
ふっと笑うよーたくん。
「お前とは3年間の付き合いがある。
奏が自分から俺に会いに来ることがないのは分かってた。
…少し、期待はしてたけどな。
ま、でも分かってて会いに行かなかったんだ。
俺が悪いよ。
…待たせてごめんな、奏」
そんな顔しないでよ。
なんか私が悪いことしたみたいになるじゃん…