もう1度~私と先生と桜の木~
よーたくんは店員さんを呼んで同じお酒を注文する。
そしてすぐにそのお酒は届けられて。
「とりあえず…乾杯するか?」
そんな提案により
「3ヶ月ぶりの再会に…カンパイ」
2人のグラスがぶつかって、少しお酒が零れた。
「ホントはな…」
一口飲んだよーたくんはグラスを見つめながら口を開いた。
「ホントは、別れたって聞いてすぐに会いに行こうと思ったんだ。
でも…勇気が出なくて。」
「勇気?」
「あんなふうに告白したけどさ。
奏が俺のことまだ好きでいるか分かんなくて。
事実、奏はテルくんと付き合ってたワケだし。
で、ずっとビビってた。」
ははっと笑うよーたくん。
「さっきも言ったけど奏から会いに来ることがないって分かってたから。
だから俺は、甘えてたんだ…逃げてた。
ずっと応えを曖昧にして、自分が傷つかないように自分自身で守ってたんだ」
なあ、奏。
そう呼ばれ顔を上げるとよーたくんが少し顔を赤くして私を見つめていた。
「俺、気づいたよ。
お前が好きだ。…誰よりも」
…きっと私の顔はよーたくんよりも赤くなっている。