もう1度~私と先生と桜の木~




「「こ、こんにちはー」」


結局、碧と2人で来てしまった体育館。

体育館の奥のほうではバレー部。

手前にはバスケ部がいて。


バスケ部はダッシュの途中だった。


「あ!マジで来てくれた!」

後ろから類が顔を出し、手を振る。


「センパイ!さっき言ったマネージャー希望の2人っす」

類がセンパイ、と呼んだその人は私たちのほうに来る。


「あ…あのセンパイっ…」

碧が小さな声でそう呟く。

どうやらこの人が部長で、碧の気になる人らしい。



「竜崎から聞いてるよ。

マネージャー、やってくれるの?」


「いや、今日はまだ…「はいっ!やります!」


私の言葉を遮って元気よく答える碧。


「ちょ…ちょっと碧っ!」


「いいじゃん!やろうよ!

どうせ奏、ヒマでしょ?」


「でもー…」


「お願いっ!あたしのためにっ!」


両手を合わせる碧。

はあ、と1つ溜め息をついた私は言った。



「マネージャー、やりたいです」






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