もう1度~私と先生と桜の木~
「奏、よーたくん知ってるの?」
「知ってるって言うか…」
「あっ!分かった!
ファンなんでしょ!?」
ニヤニヤと笑う碧。
「ファン?!」
「そう、ファン」
シレッとした顔で碧は言ってるけど。
でも、なんなの?
ファンって!
普通の教師にファンなんていないと思うんだけどなあ…
「うーん…ファンって言うのはさすがに大袈裟か。
なんて言うんだろ…よーたくん、って若いじゃん?」
「え?そうなの?」
「奏、知らなかったの?
ま、いいや。
それで、若くて背が高くて、それなりにカッコイイ顔してるからね。
だからちょっと大人なオトコに憧れてる子たちがよーたくんにくっついてるの」
へえ…そうだったんだ。
全然、知らなかった。
「それと、隣の男子バレー部。
あそこの顧問の町田先生ことマッチー、っていうかうちのクラスの担任。
まあまあイカした顔してるじゃん?
だからマッチーも結構人気あるんだよ」
「そう、だったんだあ」
マッチーが人気あるなんて、これも初耳。
「にしても、碧、よく知ってるね」
「うん。だって3年にお姉ちゃんいるもん」
…これも、初耳…
私、知らないことだらけじゃんっ!!