もう1度~私と先生と桜の木~





「碧…お姉ちゃんいたの?」


「あれ?言ってなかったっけ?」


「うん…聞いてない」


そっかそっか、そう言いながら笑っている碧。



「で、奏はよーたくんのファンなの?」


「ち、違うよっ!そんなんじゃないっ!」


「そんな焦っちゃって~

余計怪しいよ、かーなでっ!」


ニタニタと笑う碧。

もう何を言ってもダメな気がして。

だから言い返すのをやめた。



「…こんちわーっすっっ!」

と、突然さっきの部長さんが叫ぶ。

そうすると全員が同じ方向を見て


「「「こんちわーっす!!」」」

と、言った。


みんなの視線の先には…


「あっ…あの先生…っ」


入学式の日。

桜の木の下で見たあの人がいた…








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