もう1度~私と先生と桜の木~
それから他愛もない会話をして部活は終了。
碧ちゃんは少しお姉ちゃんに似ていて、
性格は明るく、まだ幼い。
一方、奏ちゃんは性格こそ明るいが、幼さはほとんどなく、むしろ大人っぽい。
高1にしてちゃんと、大人の会話ができる。
2人の印象はこんな感じだ。
どちらにしろ、ちゃんと仕事をしてくれそうな2人で安心した。
「あ、マッチー」
「こら、よーたくん、その名前で呼ぶなって言ってるでしょ」
「マッチーこそ呼ばないでください」
「よーたくんこそ」
「マッチーこそ」
そんなくだらないやり取りを一通り職員室の隅で行った後、今日の出来事を町田先生にしてみる。
「へー、水嶋と若林がねえ…」
「2人ってどんな子なの?」
「どんな子って、至って普通の子だよ。
水嶋は今どきの高校生、って感じ。
若林もそうと言えばそうなんだけど、
なんか…それだけじゃない感じ…するんだよなあ」
「どういう意味ですか?」
「うーん…うまく言えない。
そのうち分かると思いますけど」
なるほどね。
俺の感じた印象通り、ってワケだ。
でも、気になるな。
町田先生の言っていた奏ちゃんの
『それだけじゃない感じ』
の正体。