もう1度~私と先生と桜の木~





「あれ?こんなとこに奏(カナデ)発見」


振り向いた先にはあの人がいて。

なんて運命なんだろう…そんなことを思う。



「なんでこんなとこにいんの?

みんなと別れ、惜しんでこないの?」


「うん。いいの。」


ねえ…教えてあげる。

なんで私がここにいるのか。


みんなと別れを惜しみたいけど。

でも、あなたに会いたかったから。

ここにいれば、必ず来るって思ってた。


そしたらほら…やっぱりあなたは現れた。



「…先生」



「おう、どうした?」


いつも通り返事をした先生は振り向いた。


ねえ…教えてあげる。

どうしてあなたに会いたかったのか。






「…好き、でした。」






…この恋を終わらそうと決めていたから。








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