もう1度~私と先生と桜の木~
「まさかなあ……」
「なんですか??」
「いやあ、よりによってお前らのクラスの担任になるとは」
始業式は終わり、部活の時間。
みんなはグランドをランニング中。
碧は用事があるらしく今日は帰ってしまった。
「俺は嬉しいよ、奏。」
「私はそうでもないけど…」
「ヒドイ!!ヒドイぞ、奏」
「先生…うるさい」
そう言うとよーたくんのションボリ顔が余計にションボリする。
私は、ウソつきだ。
よーたくんが担任で
本当はめちゃくちゃ嬉しいくせに、
嬉しくないなんて言ったりしちゃってるし、
うるさいだなんて微塵も思ってない。
むしろ、嬉しいくらいだ。
こんなにも親しげに話せて。
「ま、俺は知ってるけどな」
「何を??」
「本当は奏が喜んでること」
よーたくんはニヤッと笑っていて。
「…バカ」
と、小声で呟いた。