もう1度~私と先生と桜の木~
「先生よりマッチーのほうが良かったもん」
「また奏はそんなこと言って~
可愛くないなあ」
「可愛くなくていいです」
「…ゴメンナサイ」
ちょっとキツめによーたくんを睨むと、
少し不貞腐れながら頭を下げる。
そんな姿に年上なのに、
可愛い、そんなことを想ってしまう。
「なあ、奏」
「なんですか」
「英語、特別補習してやろうか?」
「…キモチだけ受け取っておきます」
よーたくんめ。
意地悪だ。
私が英語苦手なの分かってて、
あんなこと言うんだから。
ほら、現にニタニタ笑って
『してやったり!!』
みたいな顔してる。
でも、そういうところも、憎めない。
うん、きっとこれが惚れた弱み、ってやつなんだと思う。