もう1度~私と先生と桜の木~
「でもさあ、奏と町田先生、仲良いよな」
「当たり前だろ。
元担任と生徒なんだから。」
「それにさっき奏、マッチーが担任のほうが良かったって…」
「おっ!さすが若林!
こんな先生より俺のほうがいいよな」
「はい、そうですね」
マッチーにのっかって、
そんなことを言ってみる。
「妬ける…妬けるなあああぁ!!」
よーたくんはなぜかそんなことを言って叫んでいる。
それを見たマッチーは大爆笑していたけど。
でも私は、笑えなかった。
よーたくんは冗談で言ったんだろうけど。
そんなことは百も承知なんだけど。
でも
『妬ける』
その言葉が嬉しくて。
どうしようもないくらいに嬉しくて。
作り笑いを浮かべる余裕なんかなくて。
俯いて真っ赤に染まっているであろう顔を隠すことに必死だった。