もう1度~私と先生と桜の木~
また桜の季節
「そこじゃないだろっ!
今の場合はここでカバーしないと簡単に抜かれるぞ!」
「はい!すいませんっ!」
春季大会が近付くある日。
部活では紅白戦を行っていた。
「よーたくん、気合い入ってるね」
「うん、いつもより声大きいもんね」
マネージャー2人、奏と碧のそんなやり取りが聞こえる。
「悪かったな。
いつもよりうるさくて」
「そんなこと一言も言ってないです」
奏にビシッと言われ、やむなく黙る。
「…怖い」
「先生ほどじゃないです」
返答があまりにも早くて。
と、言ってもこれはいつものことだけど。
そんな返しを見て碧は笑っている。
碧、笑ってないで
少しはフォローしてくれればいいのに。