もう1度~私と先生と桜の木~
第1章―16歳―
サクラ、好き?
「今日から高校生だよ?!
なんか信じらんなーい!」
「テンション高すぎだよ、琴音(コトネ)」
「そんなことないよ!
っていうか奏(カナデ)がテンション低すぎなの!」
「私はフツーだよ、フツー」
そう。私は普通。
いつもテンションはこんな感じだし。
まあ唯一テンションが上がるとすれば、それはお笑い番組を見てる時くらい。
そして容姿も普通。
運動神経も普通。
頭は…上の中、くらい。
隣にいる琴音は私の親友だ。
そして、私とは違った。
いつもテンションが高くて。
フレンドリーで、
可愛くて、運動神経が良くて。
琴音に唯一勝てるのは勉強くらいだった。
琴音といると私は間違いなく、引き立て役だけど。
でも、私は琴音が大好きだ。