もう1度~私と先生と桜の木~




と、類に言われたものの、

なんだか本人には聞きづらくて、

黙って奏を見つめる。



「…視線が痛いんですけど」


「うん」


「うん、じゃ分からないよ」


なんか今日の奏、不機嫌…


「原因、先生だけど」


「うわっ!!

奏に心の中詠まれた!

何?!奏、そんな特殊能力あったの?!」


「せんせーの顔に書いてあっただけだし…」


「…ゴメン」


「なんで謝るんですか」


「奏、怒ってるから…」


そう言うとなぜか奏ははあ…と大きな溜め息をついた。

うわっ!完全に俺、奏にどーしよーもないヤツだって思われてる!



「もういい。

で、私の顔になんかついてました?」


「へ?なんで?」


「なんで、ってよー…じゃなくて先生が私の顔見てたから」



あれ?

今、よーたくん、って言おうとしたよな?

なんで途中でやめたんだ?

言っちゃえばいいものを。






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