もう1度~私と先生と桜の木~
「いるかも、ってことはまだ確信があるワケじゃねーの?」
今度は類が聞く。
「うん。可能性があるってだけの話。
遠距離だからさあ、会って確かめようにも忙しくてな…
ってこんなことお前らに愚痴っても仕方ないか」
「よーたくん!」
類がよーたくんを睨む。
「高校生が1番嫌うことって何か知ってる?」
「え?」
「「子供扱いされることっ!!」」
キレイに碧と類の声がハモった。
そうするとよーたくんはプッと吹き出し、
「そうだな。
お前らも半分は大人だもんな。
少しくらい恋だの愛だの分かるか」
と、言った。
「で、どーするの?彼女さんと」
碧は興味津々の顔で聞いている。
「さあな。
二股疑惑が本当かどうか、それで決まるよ」
その言葉を聞いたあと、
私は自分が怖いと思った。
だって、どうかその疑惑が本当であってほしい、と心の底から思ったからだ。
よーたくんのことを想うなら、
疑惑は疑惑であることを思わなければいけないのに。
あー…もう、ダメだなあ、私…