もう1度~私と先生と桜の木~




「よし、ここで一応解散な。

明日はオフだけど明後日からまた練習だぞ」


よーたくんのその言葉で解散。



「お前ら何で帰るの?」

駅への道を碧と類と歩いているとよーたくんが声をかけてきた。



「もちろん電車ー」

類が答えると


「おっ!じゃあ俺と一緒だなー」

無邪気な笑顔を浮かべてよーたくんも一緒に歩きだす。



私はよーたくんから1番離れたところにいた。

だって近くにいたら、

どんな顔をしているかバレちゃうから。


よーたくんにこんな顔は見せられない。

彼女の話を聞いてから落ち込んだままの、こんな顔。



そうこうしているうちに駅に着く。


「よーたくんどっち?」


「俺、あっち」


「あ、じゃあ奏と一緒じゃん。

俺と碧はこっちだから。」


「じゃあ、また明日ね、よーたくん、奏」


「ばいばい…」


ウソ…でしょ。

ここから私、よーたくんと2人きり!?







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