もう1度~私と先生と桜の木~




クラスは琴音と碧は隣のクラス。

私と類はまた同じクラス。

類と一体何の縁があるというのだろう。

つくづく、不思議で仕方がない。


そして、担任。

琴音と碧のクラスはマッチー。

うちのクラスは去年と同様、よーたくん。


素直に、嬉しかった。

でも、封をしなければならない気持ちを抑え込むのが大変で。

少しだけ、憂鬱な気分にもなった。


「奏ー!勉強教えろー!」


「イヤだよ!

私だって時間ないんだもん」


「でもさあーこんなことよりー」


「試合が大事なんでしょ?

そのセリフ、もう何回も聞いた」


ただいま、授業後の図書室。

中間テストまであと3日。

そして大事な試合まであと5日。


もう最近は忙しくててんてこ舞いだ。


テスト2日やって休日のはずが、

予想外にも勝ち進んで、

その大事な休日に試合がある。

その試合を終えると月曜からまたテスト。


勉強を優先すればいいのか、

部活を優先すればいいのか分からない。


今は授業後2時間各自勉強して、

その後、練習。


学校の許可を受けて特別にそうさせてもらってる状況。



「奏、ここ分かんないんだけど」

隣の碧が数学の問題を指さす。


「ああ、これね。

これはー…」


「なんで碧には教えるのに俺には教えてくれねーんだよ…」


なんて類の呟きは、

当たり前にスルーした。






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