もう1度~私と先生と桜の木~






そうこうしているうちに入学式は終わり、教室に戻っていた。



「えー…みなさん、初めまして。

入学、おめでとう。


今年1年間このクラスを担当することになりました…」


男の先生が黒板に向かいスラスラと名前を書いていく。



「町田 恭輔(マチダ キョウスケ)です。

担当は数学。


1年間、よろしく」


先生の言葉が終わると控え目な拍手が起こる。


見た目は…20代半ば。

薬指に指輪ナシ。

でも雰囲気的に気の強そうな彼女はいそう。


性格は…厳しくはなく、うるさくもない…まあそんなところだと思う。



「じゃあ今から手紙配るからちゃんと親御さんに見せるようにねー」


そう言いながら前から手紙が回ってくる。

ちなみに私の前の席は入学式で大欠伸をしていたあの男の子だ。



…あ、また欠伸してる。


眠そうに眼をこすりながら私に手紙を渡し、机に伏せる。


えーーっ?!

もうちょっとでホームルーム終わるのに今から寝るの?!


そんなに寝不足?!


私は心の中で名前も知らないイケメンくんにツッコミまくり。


あー…これだから私は女の子っぽくないんだろう。

趣味が問題だと思う。

なんて言ったって趣味…人間観察。







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