もう1度~私と先生と桜の木~
「はい、じゃあ先生の詳しい自己紹介は授業まで残しておいて、今日はこれで終わります。
はい、全員立ってー」
ガタガタとイスをひいて立ち上がる。
でも前の人は寝ていて。
え…あの短時間にもう熟睡?
こんなうるさいのに起きないの?
「はい、それじゃあまた明日」
えーっ?!
先生、寝てるのに気付いてないしっ!
初対面の人を起こすのは気が引けて、声をかけるワケにもいかないし…
そう思っていると
「さよーなら」
「「さよーなら」」
あいさつ…終わってるし…
ぞろぞろと教室を出て行くみんな。
うわっ…そう言えば私、まだ誰とも喋ってない。
ヤバイくない?
まだ友達ゼロじゃん!
なんて焦っていると教室には私とまだ寝ているイケメンくんの2人きり。
え?え?ええ?
みんな帰るの早くないですか?!
カバンに荷物をつめる。
そして教室を出ようとカバンを持ち上げると
【ガッシャーン】
あー…やっちゃった。
カバンを肩にかけるひもがイスにひっかかって、すごい音をたててイスを倒してしまった。
私ってば…ドジだなあ。